働き方改革関連法が成立し、職員の働き方への対応が医療機関に求められている。これに伴い、神奈川県内のとある社会福祉法人経営の病院(病床数500床以上、職員数1400名強)では、看護師の「オンコール勤務」をめぐって改善策を講じる良い事例も出ている。
オンコール勤務とは、緊急時にはなるべく早く職場に駆けつけられるよう、自宅等で備えておくことを言い(単純に「待機」という場合もある)、職場によっては専用の携帯電話を所持し、入浴時であっても着信にすぐ気付けるよう求められるような態勢を取っておくことを言う。もちろん深夜対応の場合もあるため、看護師にとっては精神的、体力的にも負担のある勤務形態の一つと言えるだろう。
このオンコール勤務をめぐり、上述の病院では「オンコール勤務中、深夜0時以降に病院への呼び出しがあった場合には翌日は有給休暇を取得してもよい」という制度を設けたそうだ。あくまでも有給休暇取得の奨励なので、個々の体力や事情に応じた対応を取れるが、体力的に厳しい場合は同僚に気兼ねなく休暇を取得できるようにすることで、看護師の負担を心身両面で軽減しようという方策だ。
有給休暇がまだない、もしくは使ってしまった看護師は、休日の前日にオンコール勤務を行うようシフトを調整する配慮もなされている。制度を利用した看護師からは「気持ちに余裕ができた」という声も上がるなど、好評だ。今後も看護師の働き方改革では、このような好事例も多く出てくることが予想されている。